コラム一覧
新着情報
2026/06/17eラーニングの知識
シニア人材の学び直しと戦力化|70歳就業時代の人材育成をデータで読み解く

人手不足が続くなか、長く働く高齢の社員(シニア人材)の力をどう活かすかは、多くの企業にとって避けて通れないテーマになりました。定年の延長や再雇用で働く期間は延びていますが、「これまでと同じ役割でよいのか」「新しい仕事のやり方についていけるのか」という不安も現場にはあります。
本記事では、内閣府の公的データから高齢者の就業の実態を整理します。そのうえで、シニア人材の学び直し(新しい知識やスキルを学び直すこと)を進める打ち手と、eラーニング(オンラインで学習を配信し進捗を管理する仕組み)が向いている理由を解説します。
公的データが示すシニアの就業実態
まず数字で現状を見ます。内閣府「令和7年版高齢社会白書」(原典は総務省「労働力調査」)によると、令和6年の就業率は、65〜69歳で53.6%、70〜74歳で35.1%、75歳以上で12.0%でした。65歳以上の就業者数は21年連続で前年を上回っており、シニアが働き続けることは、いまや特別なことではなくなっています。

グラフを見ると、どの年齢層でも就業率が右肩上がりで伸びてきたことが分かります。とくに65〜69歳は、10年前と比べて10ポイント以上も上昇しました。いまや65〜69歳の2人に1人以上が働いている計算です。背景には、2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法があります。この法律で、企業には70歳まで働ける機会をつくる「就業確保措置」が努力義務(できる限り努めるべき義務)として求められるようになりました。
働くシニアが増えるということは、企業にとって戦力が増えることでもあります。ただし、ただ在籍してもらうだけでは力を活かしきれません。長く活躍してもらうには、変化に合わせて学び直す機会を、会社が用意できるかどうかが鍵になります。
シニア活躍に伴う人材育成の課題
シニア人材に長く活躍してもらううえでは、いくつかの課題があります。代表的なものを整理します。

課題①: デジタルの道具への対応
仕事の進め方は、この数年で大きく変わりました。クラウド(インターネット経由で使うサービス)やオンライン会議、業務アプリなど、新しい道具が次々と入ってきます。豊富な経験を持つシニアでも、こうした道具の操作には慣れが必要です。ここでつまずくと、本来の力を発揮しにくくなってしまいます。
課題②: 役割の転換に合わせた学び直し
再雇用などで働き方が変わると、役割も変わることがあります。管理する立場から、現場で手を動かす立場へ。あるいは、後輩を育てる役へ。新しい役割には新しい知識が必要ですが、忙しい現場では学び直しの時間を取りにくいのが実情です。役割の変化に学びが追いつかないと、本人も周囲もやりにくさを感じます。
課題③: 技能の伝承が属人化しやすい
シニアが長年かけて培った技能やノウハウは、会社の財産です。しかし、その多くは本人の頭の中にあり、引き継ぎが進んでいないことが少なくありません。退職とともに貴重な知識が失われるのは大きな損失です。技能を残し、次の世代へ渡す仕組みづくりも、シニア活躍とあわせて考えるべき課題です。
シニアの学び直しを進める打ち手
課題が整理できれば、打ち手も見えてきます。シニアの学び直しは、若手と同じやり方をそのまま当てはめるのではなく、特性に合わせた工夫が必要です。
| ポイント | 陥りがちな失敗 | 有効な打ち手 |
| デジタル対応 | 一度の集合研修で済ませようとする | 必要なときに何度でも見返せる教材を用意する |
| 学ぶペース | 若手と同じ速度・分量を求める | 短い単位で自分のペースに合わせて学べるようにする |
| 役割転換の支援 | 役割が変わってから慌てて教える | 新しい役割に必要な学習を事前に届ける |
| 技能の伝承 | 口頭の引き継ぎだけに頼る | 手順や勘どころを教材として形に残す |
共通するのは、「一度きりの研修」ではなく「いつでも学べる仕組み」に変えることです。短い時間で学べる教材の作り方はマイクロラーニングとは?スキマ時間学習の仕組み・メリット・教材設計のコツで、学び直しを定着させる設計はリスキリングを成功させるeラーニング活用法|学び直しを定着させる研修設計のポイントで詳しく解説しています。
eラーニングがシニアの学び直しに向く理由
シニアの学び直しには、eラーニングが構造的に合っています。理由を3つに整理します。
第一に、自分のペースで学べることです。集合研修は決まった速度で進みますが、eラーニングなら一時停止や巻き戻しが自由にできます。分かるまで何度でも見返せるため、新しい道具の操作も落ち着いて身につけられます。第二に、必要なときに必要な分だけ学べることです。短い単位の教材にしておけば、忙しい合間にも少しずつ学べます。長時間の研修に時間を割く必要がありません。
第三に、技能の伝承に使えることです。シニアが持つ手順や勘どころを、動画や手順書としてeラーニングの教材にすれば、本人が退職した後も知識が会社に残ります。教える側のシニアにとっても、自分の経験を形に残す張り合いのある役割になります。学んだ記録はLMS(学習管理システム)に残るため、誰がどこまで習得したかを把握しやすく、次の育成にもつなげられます。こうした人材投資の全体像は企業の人材投資の現状|厚労省「能力開発基本調査」から見るeラーニング活用の打ち手もあわせてご覧ください。
まとめ — 学び直しの仕組みがシニアの戦力化を決める
65〜69歳の就業率は53.6%に達し、高齢就業者数は21年連続で増えています。70歳まで働ける環境づくりが企業の努力義務となるなか、シニア人材をどう戦力化するかは、人手不足時代の重要なテーマです。ただ在籍してもらうだけでなく、変化に合わせて学び直す機会を会社が用意できるかどうかが、活躍の度合いを大きく左右します。
eラーニングは、自分のペースで学べること、必要な分だけ学べること、技能を教材として残せることで、シニアの学び直しに無理なく合います。デジタルへの対応、役割の転換、技能の伝承という課題に、同時に効く手段です。「一度きりの研修」から「いつでも学べる仕組み」へ。発想を変えることが、シニアの経験を会社の力に変える第一歩になります。
よくある質問
Q1. 高齢者の就業率はどのくらい伸びていますか?
内閣府「令和7年版高齢社会白書」(原典は総務省「労働力調査」)によると、令和6年の就業率は65〜69歳で53.6%、70〜74歳で35.1%、75歳以上で12.0%です。65歳以上の就業者数は21年連続で前年を上回っています。とくに65〜69歳は10年前と比べて10ポイント以上伸びており、シニアが働き続けることは一般的になっています。
Q2. シニア人材の育成で特に課題になるのは何ですか?
大きく3つあります。クラウドや業務アプリなど新しいデジタルの道具への対応、再雇用などで役割が変わったときの学び直し、そして長年培った技能をどう次の世代へ引き継ぐかです。いずれも、忙しい現場では学びの時間を取りにくいことが共通の壁になります。短い時間で繰り返し学べる仕組みを用意することが、課題解決の出発点になります。
Q3. シニアの学び直しに、なぜeラーニングが向いているのですか?
自分のペースで学べるからです。一時停止や巻き戻しが自由にでき、分かるまで何度でも見返せるため、新しい道具の操作も落ち着いて習得できます。短い単位の教材にすれば、忙しい合間にも少しずつ学べます。さらに、シニアの技能を動画や手順書として教材にすれば、本人の退職後も知識が会社に残ります。学んだ記録も残るので、習得状況を把握しやすくなります。
Q4. シニアが持つ技能を会社に残すにはどうすればよいですか?
手順や勘どころを、動画や手順書としてeラーニングの教材に残すのが有効です。口頭の引き継ぎだけだと、教える時間が取れずに技能が失われがちです。教材として形にしておけば、後輩が必要なときに何度でも見返せます。教える側のシニアにとっても、自分の経験を形に残す張り合いのある役割になります。技能伝承と人材育成を同時に進められる点が利点です。
関連記事
■「Moodle(ムードル)」とは?
https://www.io-maga.com/service/
eラーニングプラットフォーム「Moodle(ムードル)」は、現在、世界で4.0億人が利用しているeラーニングシステムです。レスポンシブデザイン採用のため、PCやタブレット、スマホなど、デバイスを選ばずに使えるマルチプラットフォーム型になっています。無償で配布されるアプリ(iPhone、アンドロイド)をご利用いただければ、通信環境がないところでも学習可能です。
配信コンテンツは、テキスト・PDF・動画・HTML5・SCORMなどにも対応。テストも、○×式・4択式・記述式・穴埋め式など、多彩な形式に対応しています。
大学や病院、大企業を中心に日本での導入実績も多く、使いやすいと評判のオンライン学習システムです。
■「IO Moodle(イオムードル)」とは?
https://www.io-maga.com/service/
「IO Moodle(イオムードル)」は、従来の「Moodle(ムードル)」に足りていない機能を独自でカスタマイズし、社員スキル向上に役立つ機能を搭載したeラーニングシステムです。
「Moodle(ムードル)」は世界240カ国以上、約4億人が利用する便利なeラーニングシステムですが、イオマガジンがサポートするお客様からは「こんな機能があったらいいのに…」というご要望を多々お聞きします。そこで、イオマガジンでは、お客様のご要望が多かった”動画制御”や”催促メール”をはじめとする便利な機能を標準搭載したオリジナルパッケージ「IO Moodle(イオムードル)」を開発しました。
■「Moodle(ムードル)日本語マニュアル(対象バージョン:4.5)」の無料公開中!
https://www.io-maga.com/sample_document/
「Moodle(ムードル)」には正式な日本語マニュアルが存在しません。そのため、「この機能はどのように使うの?」というちょっとした疑問を解決するのも大変です。そこで、イオマガジンでは日本語のオリジナルマニュアルを作成しました。基本的な機能から応用編の便利機能まで、画像付きでわかりやすく解説しているので、この一冊があれば、スムーズに「Moodle(ムードル)」を使いこなすことが可能です。
現在、イオマガジンのホームページにて無料公開中です。「Moodle(ムードル)」の使い方にお困りの方はぜひご利用ください。
■Moodle専用AIエージェント「ムードル先生」とは?
https://www.io-maga.com/sample_document/
Moodle専用AIエージェント「ムードル先生」は、Moodle(ムードル)に特化したAIチャットボットです。Moodleの使い方や設定方法など、ちょっとした疑問から幅広い相談まで24時間いつでも回答します。現在はアルファ版として公開しており、今後も改良を重ねていく予定です。まずは気軽にご利用いただき、疑問点をすぐに解決してください。なお、「ムードル先生」で解決できなかった内容については、お問い合わせフォームよりご質問いただければ、専門スタッフが回答いたします。
■イオマガジンとは?
https://www.io-maga.com/company/
イオマガジンは、スタンダード市場上場の「城南進学研究社」のグループ会社であり、また「Moodle(ムードル)」の正式パートナーです。日本の大学や病院、企業さまに対し、「Moodle(ムードル)」の構築・運用・カスタムなどをサポートしています。「eラーニング イノベーション カンパニー」として、人生100年時代の大人の学び(リカレント教育)をサポートしています。
▼Moodleに関するお問い合わせはこちらから
■本リリースに関するお問合せ■
株式会社イオマガジン:望月、成家
hp: https://www.io-maga.com
e-mail: sales@io-maga.com
TEL: 03-6384-5740