2024/01/12事例

【導入事例・後編】東京慈恵会医科大学様にインタビュー!講義内容の向上を感じさせるeラーニングの使い方とは?前編に続き、後編も公開しました

株式会社イオマガジン(本社:東京都港区、代表取締役:成家勉 ※以下、イオマガジン)は、世界240カ国以上、約3億2千万人が利用するeラーニングシステム「Moodle(ムードル)」を、さらに使いやすくカスタマイズしたeラーニングシステム「IO Moodle(イオムードル)」の、導入・カスタマイズ・運用するサポートを行っております。

イオマガジンが継続的にサポートをしている東京慈恵会医科大学様にインタビューを実施いたしました。インタビューの内容を「Moodle導入事例・後編」として記事にまとめ、2024年1月12日(金)に公開したことをお知らせします。

インタビューでは、「Moodle(ムードル)」を実際の講義でどのように使っているのか、「Moodle(ムードル)」のデメリットをどのように克服しているのかなど、活用しているからこそわかるリアルな経験談をお話いただきました。

導入を検討している方、まだ迷われている方の参考になる内容です。ぜひご覧ください。

【東京慈恵会医科大学様の記事はこちら】
https://www.io-maga.com/2024/01/casestudy20240112/

※尚、インタビューの内容は前編・後編に分けて公開しています。

【Moodle導入事例・前編はこちら】
https://www.io-maga.com/2023/12/casestudy20231215/


事例インタビューサマリー:東京慈恵会医科大学様


大学名
東京慈恵会医科大学様
事業内容
医学・看護の専門大学/大学院/大学病院を運営
URL
http://www.jikei.ac.jp/univ/

1881年(明治14年)に創立された成医会講習所が起源となる、私立の旧制大学では最も古い単科の医科大学。慶應義塾大学医学部、日本医科大学とならび、「私立医大御三家」と呼ばれている。2019年末から始まった新型コロナ禍以前より、eラーニングシステム「Moodle(ムードル)」の導入を行い、医師や看護師への社内研修や、学生への遠隔授業を充実化させてきた。その後、2020年以降は、新型コロナ治療の最先端拠点のひとつとして、献身的な対応を行いながら、学生や医師、看護師の学びを止めずに、さらに強化するべく、授業や研修をeラーニングで積極的に行なっている。後編である今回は、筋生理学の研究をされている中原直哉先生(以下、中原先生)に、リアルな授業からeラーニングへ移行する際の工夫など、具体的に話を聞いた。

▲筋生理学の研究をされている中原直哉先生

——先生の専門はどのような分野ですか?

中原先生:生理学という生体の機能について調べる分野です。特に骨格筋を使って筋生理学を研究しています。

——eラーニング推進にあたって、どのような役割を担っていますか?

中原先生:本学のeラーニングの全体的な管理運営の相談や、医学科での授業のアップロードや、授業作成の支援を行っています。

通常、授業をする教員自身がアップロードすることが多いかと思いますが、我々の大学では病院でのコロナ対応等もあったため、各先生方には授業の作成や質問の対応に集中してもらうために、教育センターや私どもの研究室でアップロード作業を一括で行っていました。

——コロナ禍でeラーニング利用に変化はありましたか?あれば具体的にお教えください

中原先生:コロナ禍に入る前は「Moodle(ムードル)」に触れたことは全くありませんでした。2020年の3月から新学期に向け、準備する過程で使い始めました。4月になってからは授業が基本的にオンライン化され、授業の講義資料や動画の提示、課題の提出、そのフィードバックまでを「Moodle(ムードル)」上で行うことが多くなりました。

——リアルな授業からeラーニング化する際、ここは難しいと思う点を具体的に教えてください

中原先生:学生の反応をみながら授業をすることが出来ない点です。理解に応じてその場で表現を変えるなど、柔軟な対応が出来ない点はリアルな授業に対して難しいと感じます。また、やはり質問もしづらいといった問題点もありました。

多くの先生方が「Moodle(ムードル)」の操作が不慣れなため、動画・課題・フィードバックの操作のサポートが必要であり、困難でした。今後の課題でもあります。

——上記課題を解決するために、「Moodle(ムードル)」を扱うときの工夫を教えてください

 中原先生:

①既存授業をeラーニング化するときのポイント

多くの先生方はパワーポイントを使っていたので、そこに音声を入れて動画にする、もしくはノート機能で説明を書くようにしました。

また、音声を吹き込むときに言い間違えた場合、その都度音声を録りなおす先生もいるかと思います。しかし、言い間違えがあっても、リアルな授業と同様にその場で言い直す収録方法で動画を作る時間を短縮しています。浮いた時間は学生への質問対応などに費やしました。疑問点は課題の中に質問が出来る欄を設けたり、メールで受けたりしています。質問の回答が多くの学生に共通する内容の場合は、「Moodle(ムードル)」上にFAQとして提示し、他の学生も閲覧できる環境を作ることで、今まで以上に質問への対応が出来るようになった利点もあります。

②テストとフィードバックの使い分け

「Moodle(ムードル)」にはテスト機能があります。

テスト機能の多肢選択の場合はいいのですが、記述式の場合漢字表記の幅がなく(例えば「頚」と「頸」など)、複数の医学用語を解答するのが困難なため、あまり使っていません。先述したように、仕組みとしてアップロードを一括して代行していたため、解答の設定などが不要になる「フィードバック機能」を活用した方がいいと思い使っています。

また、フィードバック機能の「活動完了」がついた学生には、解説PDF資料が閲覧できる「利用制限」の機能を利用すると、テストに近いものが簡単に作れるのも便利です。解説をPDFとして配布すれば、学生はオフライン上にもデータを残しやすいと思います。

一方で大人数が受講する大学内の講習会などでは小テスト機能を使っています。小テストの合否で受講状況を把握したい場合には、多肢選択のみで構成した小テスト機能が便利です。

③「Moodle(ムードル)」でやることと、「Moodle(ムードル)」外でやることの使い分け

大学で使っているツールとしては大きく、「Moodle(ムードル)」とZoomがあります。ディスカッションを含めた授業ではZoomが必要となりますが、その場合でも「Moodle(ムードル)」で事前資料を提示するなど、基本的にまず「moodle(ムードル)」に入るとやることが分かるという流れにしています。

また、「Moodle(ムードル)」上に実習手技の動画等を載せておくことで、学生たちは予習ができるため、授業時は最小限の説明で済むというのも大きなメリットだと思います。さらに、実習中でも動画を再生し、止めたり、巻き戻したりして見返すことが出来るので、手技のちょっとしたことで時間がとられることが減り、実習中のディスカッションの時間などが以前よりも取れるようになりました。

④そのほかの工夫点

「Moodle(ムードル)」には多くの機能がある一方で、一部の機能だけでも十分に授業を作ることが出来ます。基本的には、「ファイル機能で動画・PDF資料を提示し、フィードバック機能もしくはファイル機能で課題を提出させ、ファイル機能で課題の解答例を表示する」という構成で授業を行っていました。そして、徐々に「Moodle(ムードル)」内メッセージで掲載のお知らせなど、使う機能を増やしていきました。

そうすることで、4月から初めてサポートとして「Moodle(ムードル)」に触れたという職員でも、資料のアップロードや、課題の設定などをすんなりこなすことが出来ています。

これからは少しずつ使う機能を増やしていきたいと思います。

カレンダー機能に関しては「Moodle(ムードル)」内の機能もありますが、少し見づらいことと、設定により表示されない場合もあるため、基本的にはエクセルで管理した時間割や期限をPDFに変換し学生に掲示しています。それに加えて、登校などはgoogleカレンダーへのリンクを作ることで学生が予定を把握しやすいようにしました。

——最後に、「Moodle(ムードル)」を導入してよかったことを教えてください

中原先生:今まで臓器別のオムニバス講義の順序は、各教員の時間的都合などで日程の構成がされていました。しかし今回、「Moodle(ムードル)」のオンデマンド授業にしたことで、意味のつながりを重視した順序に再構成することが出来た点は、オンライン授業になり良かった点でもあると思います。

オンデマンド授業を先に視聴してもらい、その補足を含めた演習をする反転学習もやりやすい土壌になったかと思います。

また将来的には、前の学年の講義を受講させたり、他のカリキュラム(他の診療科の講義など)の視聴を促すことで対比を実感させたり、90分の枠に複数の教員が10-20分程度の資料を提供するような授業展開など、柔軟な発想で授業を構成していくことが可能だと考えています。

実際に2023年度を進めていくにあたり、私の授業資料で何を教えているか参考にした例もあれば、私自身も同一学年の他の授業や、学年で何を教えているかなど、垂直統合・水平統合も進んできている気がします。

── ありがとうございました。


本サービスへご興味をお持ちになった方は、以下連絡先までお気軽にお問合せください。お待ちしております。

■「Moodle(ムードル)」とは?

eラーニングプラットフォーム「Moodle(ムードル)」は、現在、世界で4.0億人が利用しているeラーニングシステムです。レスポンシブデザイン採用のため、PCやタブレット、スマホなど、デバイスを選ばずに使えるマルチプラットフォーム型になっています。無償で配布されるアプリ(iPhone、アンドロイド)をご利用いただければ、通信環境がないところでも学習可能です。
配信コンテンツは、テキスト・PDF・動画・HTML5・SCORMなどにも対応。テストも、○×式・4択式・記述式・穴埋め式など、多彩な形式に対応しています。
大学や病院、大企業を中心に日本での導入実績も多く、使いやすいと評判のオンライン学習システムです。

■「Moodle(ムードル)日本語マニュアル(対象バージョン:4.1)」の一部を無料公開中!

「Moodle(ムードル)」には正式な日本語マニュアルが存在しません。そのため、「この機能はどのように使うの?」というちょっとした疑問を解決するのも大変です。そこで、イオマガジンでは日本語のオリジナルマニュアルを作成しました。基本的な機能から応用編の便利機能まで、画像付きでわかりやすく解説しているので、この一冊があれば、スムーズに「Moodle(ムードル)」を使いこなすことが可能です。すべての解説を収録した完全版オリジナルマニュアルは、1年間ご契約いただいたお客様の特典としてご提供しています。

■イオマガジンとは?

イオマガジンは、スタンダード市場上場の「城南進学研究社」のグループ会社であり、また「Moodle(ムードル)」の正式パートナーです。日本の大学や病院、企業さまに対し、「Moodle(ムードル)」の構築・運用・カスタムなどをサポートしています。「何度でもチャレンジできるセカイを」をモットーにしながら、人生100年時代の大人の学び(リカレント教育)をサポートしています。

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■本リリースに関するお問合せ■
株式会社イオマガジン:沖田、成家

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