eラーニングで効率的な学びを~すがやみつるさん特別インタビュー(2)

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画像:京都精華大学マンガ学部 Moodle画面

―――――学部生時代は通信教育による学びを中心に行われていたことを今お話くださいましたが、通信教育を展開する上で、eラーニングの必要性はどの程度あるのでしょうか?

すがやさん
「通信教育に関して言えば早稲田大学のeスクールもそうですが、eラーニングを用いたプログラムの作成は必須であると言えます。特に片手間で用意したものではなく、しっかりと学内で独立させたものとしてeラーニングによるプログラム作成を行う部署を設置する必要があります。
 例えば、京都造形芸術大学は芸術系の大学で初めて本格的なeラーニングを使った通信教育課程を設けています。もちろん早稲田大学のeスクールも、教員は通学制の学部と共通ですが、運営は独立した組織になっています。独立した組織にすることで、予算や人員の確保が可能になります。
 eラーニングの学びを効果の高いものにしていくには、やはり教員一人ひとりがしっかりと手を入れ、自身で作成したコンテンツが必要です。ある程度のパッケージも大切ですが、それ以上に教員による温もりのある「手作り感」も重要です。その方が学習者に伝わりやすい教材になります。  
 通信教育を行う上ではeラーニングは必須であり、より効果的にそれを用いるためにも学内に独立した組織を準備する必要があると思います。」

―――――教育工学を学ばれたとのことですが、eラーニングについて教育工学の視点から見ると、どういった風に見えるのでしょうか?

すがやさん
「教育工学の中でも私は特にインストラクショナルデザインという学問分野を専攻しました。この分野は、以前は「いかに効率よく教えることができるか」という点に力点が置かれていましたが、現在では「自発的な学びの促進」といった研究も盛んになっています。 インストラクショナルデザインはもともと第2次世界大戦中のアメリカで新兵訓練のために確立されたものですが、効率的な学習を目指すという意味で、テクノロジーの進歩を活用したeラーニングの学びと親和性が高いようにも思えます。
 eラーニングの魅力の一つは時間や場所を選ばないところにあります。特に独習スタイルの学びでは効果を発揮すると感じます。独習での学びは最終的に資格試験などにつながっている場合が多いですが、そういった資格試験や定期的な試験に対する知識の集積で、高効率な学びを実現することができるかと思います。また、最近注目されている、学習者の積極的な討論や体験学習を取り入れた授業であるアクティブラーニングのオンライン化も不可能ではありません。」

―――――独習について聞かせて頂きたいのですが、eラーニングを取り入れた独習スタイルの問題として学習者の孤独があるということが言われます。実際のところ学生として体験されてこの辺りはどうでしたか?

すがやさん
「eラーニングは動画を見ながら一人での学習が可能なので、「一緒に学ぶ仲間」の存在を感じる機会は確かに少ないかもしれません。しかし、私が社会人大学生としてeラーニングで学んでいた時には、mixiのようなSNSを通じて、同じ講義を受けている仲間とのオンラインでの交流が盛んに行われていました。
 いまもFacebookやサイボウズLiveなどにクローズドなコミュニティーの場が作られ、そこで熱意のこもった交流が続けられています。「孤独な学習」という部分はそういった他のコンテンツとの組み合わせで回避できるものだと思います。また、eスクールでは受講生同士が集まっては、盛んにミーティング(オフ会)が開かれていました。このようなオンライン、オフラインでの交流があるので、孤独感に苛まれる学生は少ないようです。」

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画像:京都精華大学マンガ学部のホームページ
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